長野県下最大の前方後円墳「森将軍塚古墳」

長野県千曲市に森将軍塚古墳があります。長野県下で最初のそして最大の前方後円墳です。長野県が「信濃の国」になる前の「科野のクニ」を治めていた豪族の墓として、4世紀中期から末期にかけて築造されたと考えられています。

狭い尾根の上に築かれたので、くの字に折れ曲がったような形になったと考えられています。また並べられている約200個もの埴輪の形にも、築造当時の様子を偲ぶ事ができます。

後円部の竪穴式石室(長さ8m、幅2m)は日本最大級のもので、 鉄製の刀や鎌、三角縁神獣鏡(サンカクブチシンジュウキョウ)、ヒスイの勾玉などの副葬品が納められていました。この古墳は昭和56年(1981年)から平成4年(1992年)まで、11年の歳月をかけて整備され、発掘調査の成果をもとに、同じ材料や同じ工法で築造当時の姿に復元されました。古墳を含めた周辺一帯は科野の里歴史公園になっており、古墳時代の集落の復元などもあります。

山頂の森将軍塚古墳までは約1kmなので、ゆっくり歩いても約20分ほどの距離です。有料ですが見学専用のバスもあります。林を抜けてやがて視界が開けると、全長100mの巨大な前方後円墳が姿を現し、眼下には善光寺平が広がります。また晴れた日には、飯綱山や北アルプスなどの山々も見渡せます。

森将軍塚古墳の麓(ふもと)にある千曲市森将軍塚古墳館です。こちらでは、森将軍塚古墳竪穴式石室の精密なレプリカ(実物大)や副葬品、埴輪などの出土品を中心に展示されています。

古墳館に復元されている石室内の原寸大模型ですが、薄い石片を幾重にも重ねて造った壁で構築されており、日本一の縦穴式石室といわれる石室のあまりの大きさに圧倒されます。実際の石室で型をとり、一つ一つの石の形まで正確に再現されているそうです。

 

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