長野県の木曽に位置する妻籠宿は、中山道六十九次のうち江戸から数えて42番目で、伊那街道と交わる交通の要衝として古くから賑わいをみせていました。
このあたりを寺下といい、この寺下の町並みを保存するため、昭和43年(1968年)から地域住民・行政・学者の三位一体で保存事業に着手してきました。そういった努力の甲斐もあり、現在でも江戸時代の面影を残す町並みが見られるのです。本年5月、板葺き屋根の葺き替え作業が行われました。妻籠宿内には板葺きの屋根が数ヶ所ありますが、建物の保存と葺き替え作業の伝承を目的として、「妻籠を愛する会」の方々が順番に屋根の葺き替え作業を行っているそうです。
その向かいには、国の重要文化財にも指定されている脇本陣奥谷があります。脇本陣(わきほんじん)とは、宿場に設置された本陣の予備的施設または本陣に次ぐ役職のことで、通常その規模は本陣よりも小さいですが、格式は本陣に準じたもので、宿場の有力者が勤めました。
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